猫が死ぬ前に見せる行動・サイン|兆候を見抜き看取る準備を始めるには?

眠る猫 猫の火葬・葬儀

「猫は死期が近くなると飼い主の前からいなくなる」というのは本当か?

一部本当です。ただし、いなくなるというより「飼い主の目に付きにくい場所へ行く」と考えた方がよいかもしれません。全ての猫が「死期が近い」という理由で飼い主の前からいなくなるわけではありませんが、まれにいなくなる猫もいます。とはいえ室内飼いの場合は、完全に見失うことは少ないでしょう。

猫の寿命を見抜き、最期まで看取ってあげることはできる?

日頃から愛猫の様子を観察し、ささいな変化にも気づくことができれば看取ってあげられるかもしれません。しかし猫の健康状態や個体差によって、亡くなるまでの期間は異なります。「寿命が短いかもしれない」ということは分かっても「死ぬ瞬間」まで見抜くことは難しいでしょう。この記事では看取ってあげるための準備や心構えなども解説していくので、参考にしてみてください。

猫の寿命が近づいてきた兆候とは?死ぬ前に見せる行動を紹介

青い目の猫

猫は寿命が近づいてくると、以下のような行動や兆候を見せることがあります。

  1. 口呼吸をする
  2. けいれんする
  3. 飼い主の近くからいなくなる
  4. 冷たい場所へ行く
  5. 甘える
  6. いきなり鳴く

それぞれについて、詳しく解説していきます。

兆候①:口呼吸をする

猫は基本的に鼻呼吸をする動物です。口呼吸をするということは、何かしらの原因で「呼吸が苦しくなっている」サインと考えられます。また鼻呼吸ができている場合でも、鼻全体が動くような呼吸をしているなら、息苦しさを感じている可能性も。

猫が口呼吸をした時に応急処置としてできる行動は、すぐに動物病院へ連れていくことです。また気持ちに多少余裕がある、あるいは他に人がいる時は口呼吸の様子を動画で撮影しておくのも1つの方法。そうすれば正確に状況を伝えることができるでしょう。

兆候②:けいれんする

けいれんは猫の腎臓や肝臓・脳の病気などで見られる症状です。亡くなる前になるとけいれんの頻度が増えたり、時間が長くなったりすることもあるでしょう。

けいれんした時は決して猫に刺激を与えないよう注意しながら、周囲に身体をぶつけないように対策してあげてください。けいれん中に激しく動かしたり声をかけたりして刺激を与えると、さらに健康状態を悪化させる危険性があるからです。

兆候③:飼い主の近くからいなくなる

冒頭でもお伝えした通り、猫は寿命が近くなると飼い主の元からいなくなることもあります。いなくなるというのは「飼い主の目に付きにくい場所へ行く」という意味です。

姿を隠す理由は、体調が悪く本能的に隠れて身を守ろうとするためと考えられます(はっきりとした理由は分かっていません)。

いなくなった時は無理に近くへ連れてくるのはやめて、そっと見守ってあげてください。ただし体調が急変する恐れもあるため、定期的に様子を確認しましょう。

兆候④:冷たい場所へ行く

姿を隠すことと少し似ていますが、猫は亡くなる前に冷たい場所へ行くことがあります。

理由はハッキリとは分かっていません。体調不良などで高熱が出ている、体温調節機能が過剰に働き熱を感じている、などさまざまな理由が考えられます。

いなくなった時と同様にそっと見守り、体調が悪化していないかを観察しておきましょう

兆候⑤:甘える

逆に普段よりも甘えてくる場合もあります。

猫は基本的に単独行動を好むため、甘えん坊ではないことが多いでしょう。しかし亡くなる前には甘える頻度が増えることもあります。明確な理由は分かっていませんが、体調が悪く不安になっている、自らの最期を察して甘えている、などの理由が考えられます。

急に過剰に甘えられると「しつこい」「鬱陶しい」と思ってしまうかもしれません。しかし猫の死期が近い可能性もあるので、できる限り一緒にいてあげてください。

兆候⑥:いきなり鳴く

猫は死ぬ前に「いきなり大きな声で鳴く」「ゴロゴロと鳴く」といわれることもあります。

鳴く原因は分かっていませんが、痛みや身体が思うように動かない不安で鳴いていたり、認知症の症状として鳴いていたりする可能性も。どのような理由であっても飼い主に何かを伝えたいサインなので、優しくなでたり寄り添ったりして安心させてあげましょう。

猫が死ぬ瞬間を見極めることは可能?直前に見られる症状や行動

白い猫

猫が亡くなる直前にはよく「死戦期呼吸」というものが見られます。死戦期呼吸とは、心停止前に起こる変則的な呼吸のこと。

下記のような症状が表れることが一般的です。

  • 胸が動かず、口だけで呼吸をしている
  • しゃくりあげるような呼吸をしている
  • あえぎに似た呼吸をしている

これらの症状が見られたら、亡くなる直前と考えた方がいいかもしれません。しかし死戦期呼吸を素人が見抜くことは難しく、場合によっては一切気づけないこともあります。また「死戦期呼吸と思い込み心配していたが、全く関係ない症状だった」というケースもあるかもしれません。

亡くなる兆候を確実に見抜くのは難しいと考えた方がよいでしょう。

もし愛猫を看取れなくても後悔しないでほしい理由

仰向けに寝転ぶ猫

この記事をご覧になっている飼い主は「愛猫をなんとか看取ってあげたい」という思いの強い方々だと思います。

しかし最期を看取ってあげられないのは、必ずしも悪いことではありません。猫の最期に立ち会えない方も大勢います

仮に最期にそばにいてあげられなくても、亡くなる直前まで懸命に介護やお世話をしてくれたことに愛猫は感謝しているはず。

看取れなかったことを後悔するのではなく、これまで一緒に過ごしてきた日々に感謝し、今できる精一杯のことをして送り出してあげてくださいね。

猫の寿命が近づいてきたら、飼い主はどうすればよい?なるべく後悔せずに看取るための準備や心構え

腕に抱かれる猫

猫の寿命が近いと感じたら、以下の準備や心構えをしておくとよいでしょう。

  • 猫のささいな変化に気づけるようにする
  • 猫と過ごす時間を作れるようにする
  • 看取る場所を決める
  • 亡くなった際の対処法を決めておく

準備や心構え① 猫のささいな変化に気づけるようにする

愛猫の最期を看取るためにも、ささいな変化に気づけるよう日頃から猫の行動を観察することが大切です。意識してみると「この時間はいつも起きているのにずっと寝ている」「家事をしているといつも様子を見に来るのに今日は来ない」など、細かい点に気づけるかもしれません。

上の項でも紹介したように、猫のちょっとした体調の変化が命を落とす危険な病気のサインかもしれません。これまでは気にしなかったことでも「いつもと少し様子が違うかもしれない」と感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

準備や心構え② 猫と過ごす時間を作れるようにする

愛猫と過ごす時間をできるだけ多く作れるようにしておきましょう。「いつか猫と一緒にこんなことをしたい」と思うことがあれば、可能な限り実行しておきましょう

また仕事先や親しい友人に愛猫の体調がよくないことを伝えておく、近くに住む家族へ何かあった時に手伝いを頼めるようにしておくなどもおすすめ。愛猫の容体が急変した場合の対応についても準備をしておくと安心です。

夜通し介護したり、1日中付きっきりになれるよう準備しておいたりすることで、猫の死に際に立ち会える可能性も高くなるでしょう。

準備や心構え③ 看取る場所を決める

愛猫の最期が近いと感じた時は、家族全員で看取る場所を決めておきましょう。そうすれば愛猫の健康状態が悪くなっても迷わず行動できます。

たとえば自宅で看取ってあげたい場合は、動物病院で延命処置を受けずに自宅で過ごすという選択もできるでしょう。

考え方は飼い主によってさまざまです。悩む場合は動物病院へ一度相談してみるのもおすすめです。

準備や心構え④ 亡くなった際の対処法を決めておく

以下のようなことを、あらかじめ決めておくのがおすすめです。

  • 亡くなった場合、仕事や学校などはどうするのか
  • 葬儀はどのように行うのか(どこにお願いするのか)
  • 遺骨はペット霊園に納めるのか、自宅で保管し供養するのか

猫が亡くなった後、一般的には2~3日以内に火葬を行います。時間がない中で職場への連絡や、火葬業者への問い合わせなどを行わなければいけません。

ある程度のことを事前に考えておくと、当日慌てずに済みますよ。

猫は何の前触れもなく突然死してしまうこともある?

爪をなめる猫

一見すると健康状態に問題がないように見えても、猫が突然亡くなってしまうケースもあります。症状が分かりづらかったり、急激に進行したりする病気があるからです。

猫が突然亡くなる原因となる病気の中から、発症しやすい「心筋症」と「腎臓病」について詳しく解説します。

突然死する原因① 心筋症

心筋症とは、心臓の筋肉が異常を起こして働きが悪くなってしまう病気のこと。心筋症の原因は特定されていませんが、タウリンの欠如が原因の可能性があります。栄養基準を満たしたフードを食べると発症を抑えられることもありますが、遺伝の可能性もあるため確かではありません。

心筋症は若い猫でも発症しやすい病気です。そのため定期的な検査で早期発見することが大切です。初期症状もあまりなく効果のある予防方法も見つかっていないので、少しでも愛猫の体調がおかしいと感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

突然死する原因② 腎臓病

腎臓病は、老化や栄養素の偏りなどが原因で発症すると考えられています。腎臓の機能が低下すると、毒素が身体にたまりさまざまな健康トラブルを引き起こすため注意が必要です。

猫の腎臓病を予防するにはバランスのよい食事を与えたり、水分を多く摂取させたりすることが重要。総合栄養食を選ぶことはもちろん、おやつの与えすぎにも注意しましょう。水を飲むのが好きではない猫の場合は、ウェットフードもおすすめです。

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