ハムスターが死ぬときに見せる行動や前兆にはどんなものがある?
ハムスターが死んでしまうときに見せる行動には、エサを食べない・ずっと寝ている・下痢をするといった特徴があります。ハムスターは前兆なく突然亡くなってしまうケースもありますが、詳しくは本章で解説します。
ハムスターは老衰するとどんな症状が出てくる?
老衰したハムスターに多い病気には、腫瘍(しゅよう)や皮膚病・子宮蓄膿(ちくのう)症などがあります。ハムスターの寿命は比較的短く、免疫が低下し始める1歳ごろから病気にかかることが多いです。
ハムスターが死ぬときのサインは?亡くなる前兆や行動!
「大切なハムスターが亡くなる前に、異変に気づいてあげたい」「最期を看取ってあげたい」と思う飼い主は多いのではないでしょうか。
しかしハムスターは突然亡くなってしまうことも珍しくないので、看取ってあげるためには亡くなる前のハムスターの様子を注意深く観察する必要があります。
亡くなる前にハムスターが見せることが多いサインを5つご紹介します。
亡くなる前のサイン①:エサを食べない
亡くなる前のハムスターは、今まで食べていたエサを食べられなくなることがあります。歯が弱り、硬いものが食べられなくなるので食が細くなっていきます。
ハムスターが食べるエサの量が明らかに減っていたり、体重が減少したりする場合は最期が近づいているかもしれません。日常的にエサの量や体重を測定することで、弱ったときの変化に気付いてあげられます。
亡くなる前のサイン②:ずっと寝ている
高齢のハムスターは、眠っている時間が長くなります。年齢を重ねるにつれて体力がなくなってくるため徐々に寝ている時間が増えていき、最終的には1日中寝ている場合もあります。
ハムスターは夜行性あるいは薄明薄暮性(明け方や夕方に活動すること)なので、人間が活動する日中は寝ていても問題ありません。しかし高齢のハムスターが1日を通してずっと寝ている場合は、寿命が近づいている可能性があります。体力が低下しているので、今までのような遊びや運動を無理にさせるのは危険です。回し車や段差は撤去し、事故を未然に防いであげましょう。
亡くなる前のサイン③:下痢をする
ハムスターにとって下痢は、命に関わる危険な症状です。下痢をすると激しく体力を消耗し、脱水症状を引き起こすことがあります。高齢のハムスターでなくても最悪の場合は死に至るケースがあるので、普段から便の状態を確認してあげましょう。
ハムスターが下痢をする原因には老化・病気・水の飲みすぎなどがあります。下痢が続くようであれば早めに動物病院に相談した方が良いでしょう。
亡くなる前のサイン④:「キューキュー」と鳴く
ハムスターは鳴くことで様々な感情表現をする動物ですが、苦しんでいるときに「キューキュー」と鳴くことがあります。呼吸器の病気にかかっている場合もあり、鳴いた後に数分で亡くなってしまうこともあります。
嬉しいときには「キュキュキュッ」っと鳴くこともありますが、「キューキュー」と鳴きながら横になっていたり苦しそうだったりするときは危険です。
亡くなる前のサイン⑤:震えている
ハムスターが震える原因には様々あり、寒いだけのときもありますが、疾患が引き起こしている痙攣(けいれん)の場合もあります。ハムスターが震えていたら「いつ」「どのように」震えているのか、同時に下痢や吐き気がないか確認し動物病院に相談しましょう。
寒くて震えている場合でも低体温症(疑似冬眠)になってしまい、亡くなってしまうことがあるので注意が必要です。疑似冬眠については後ほど詳しく解説します。
ハムスターは前兆なく突然死してしまうことも
「元気だったハムスターが、気付いたら死んでしまっていた」ということは珍しくありません。高いところから落ちてしまったり、重いものに挟まれたりといった事故死であれば死因が分かりやすいのですが、心当たりがないのに亡くなってしまうこともあります。
ハムスターは野生動物だったときの名残で体調不良を隠す習性があるので、飼い主にも病気を隠してしまうことがあります。
野生の世界では、ハムスターは肉食動物に追われる立場です。弱っているところを見せてしまうと外敵に真っ先に狙われてしまうことから、このような習性が身に付いたと考えられています。
飼い主が知らないうちに病気にかかっており、進行してしまっていることが突然死の原因であることが多いのです。
ハムスターによくある死因!何に注意すれば良い?
ハムスターが亡くなってしまう原因は病気だけではありません。ちょっとしたきっかけで事故や中毒が起こり、突然亡くなってしまうこともあるのです。以降、ハムスターによくある死因と対策方法を解説します。
死因①:老衰
ハムスターが寿命を迎えて亡くなることです。老衰するまでトラブルなく飼ってあげたいと思う飼い主は多いでしょう。老衰以外の死因は飼い主が予防できることも多いので、正しい方法で飼育してあげることが大切です。
死因②:病気
ハムスターには様々な病気があり、病気によっては若くても突然亡くなってしまうことがあります。
ハムスターの病気を防ぐためには、適切なエサを与えることが重要です。ハムスターが食べる理想のエサの割合は「ペレット50%、野菜50%、ひまわりの種数粒(1日当たり)」です。
野菜は小松菜・チンゲンサイ・大阪シロナ・水菜・にんじんなどがおすすめ。ペレットと同じくらいの容量(かさ)を測って与えましょう。多くのハムスターは野菜が不足しており、栄養不足や肥満から病気を引き起こすケースがあるので注意してください。
ちなみにハムスターはひまわりの種を食べるイメージがありますが、ひまわりの種は脂質を多く含むため、食べ過ぎは体に良くありません。
関連記事:ハムスター用ペレットおすすめ8選!選び方や食いつきが悪いときの対処法も解説
またハムスターの健康管理にはケージの中を清潔に保ち、衛生的な環境で飼育してあげることも大切です。ケージの中が糞や尿で汚れていたり、給水器から垂れた水で濡れたりしていると雑菌が繁殖し、そのまま放置すると病気になってしまう可能性があります。飼育用具や季節などによって掃除の頻度が異なるので、正しい方法でハムスターケージを掃除してあげましょう。
死因③:事故
高いところから落下したり、重いものに挟まったりすることで亡くなってしまうことです。
ハムスターをケージから出して遊ばせることも多いと思いますが、ケージ外ではハムスターから目を離してしまうと、ドアのすき間やクッションのすき間、床に置いてある衣類の中といった危険な場所に入ることがあります。このような状況から事故死につながることが多いので、ケージから出している間はハムスターから目を離さない・見失った場合は見つかるまで探すことを徹底しましょう。
なお「ハムスターがケージの中にいれば事故の心配はない」と思う人もいるかもしれませんが、ケージ内でも事故死してしまうケースがあります。特に多いのが落下事故です。ハムスターは登ることは得意ですが降りることが苦手な動物なので、2階や3階があるケージは避けた方が安全でしょう。また壁面が網状のケージはハムスターが登ることがあるため、アクリルやプラスチックのケージがおすすめです。
そして床が網状になっている場合は足が挟まってケガをすることがあるので、外した方が良いでしょう。また床材の上に重いものを置くと、ハムスターが下に潜り込んで潰されてしまう場合があります。
死因④:中毒
人間が普段何気なく食べている食べ物でも、ハムスターにとっては毒物になる場合があります。ハムスターにとって危険な食べ物はたまねぎをはじめ、長ネギ・ニラ・アボカド・にんにく・もも・どんぐり・たまご・梅・チョコレートなどです。
これらの食べ物を与えてしまうと中毒症状を引き起こし、死に至ってしまうケースがあります。洗っていない包丁の使い回しで、危険な成分がハムスターのエサに付着してしまうこともあるので注意しましょう。
死因⑤:冬眠
ケージの温度が低いと低体温症(疑似冬眠)になり亡くなってしまうことがあります。疑似冬眠については後ほど詳しく解説します。
死因⑥:その他
ハムスターは縄張り意識が強い動物なので、同じケージで飼育するとケンカをする可能性が高いです。最悪の場合は共食いをして亡くなってしまうこともあります。ハムスターを多頭飼いする場合は、1匹ずつケージを用意して分けて飼育するのがおすすめです。
老衰したハムスターに出てくる体調不良や病気!
老衰したハムスターは、次のような病気にかかりやすいです。
ハムスターに異常が見られる場合は自分で判断せずに、動物病院に相談して指示を仰ぎましょう。
腫瘍
ハムスターは腫瘍ができやすい動物。体を触ってしこりがある場合は、腫瘍である可能性が高い。進行すると化膿したり出血したりといったトラブルにつながることがある。
皮膚病
不衛生な環境や細菌感染・ダニなどが原因となり、皮膚病になることがある。脱毛やかゆみ・発疹といった症状が出る。
子宮蓄膿症
高齢になると免疫力が下がり、子宮蓄膿症になることがある。生殖器から血や膿が出る・生殖器周辺の脱毛・腹部の膨張といった症状が見られる。
ハムスターは「疑似冬眠」という死亡によく似た現象にも注意が必要!
疑似冬眠とは、寒い環境に置かれたハムスターがとる特徴的な行動です。クマなどがするような本当の冬眠ではなく、疑似冬眠はハムスターの身体が低体温症に陥っているので危険な状態です。ハムスターを飼うときは、疑似冬眠の予防方法や対処法を知っておく必要があります。
ハムスターの疑似冬眠とは?疑似冬眠の危険性や予防方法を解説
ハムスターは冬場などの寒い時期にケージ内の気温が10度程度になると、疑似冬眠をすることがあります。低温でのハムスターの疑似冬眠は体が仮死状態にあり、少しずつ死に向かっている状態です。疑似冬眠に入ったハムスターを放置しておくと、そのまま亡くなってしまうことがあるので注意しましょう。
ハムスターを飼育する適温は18~26度程度です。寒い環境で疑似冬眠に入ってしまうと、体が適応できずそのまま死んでしまうことがあるのです。冬場は常にエアコンなどの暖房器具を使い、室温が下がらないようにしましょう。
ハムスターが疑似冬眠をしたらどうすればいい?
まずは疑似冬眠なのか、本当に亡くなってしまっているのかを見分ける必要があります。ハムスターの疑似冬眠は仮死状態にあります。触ってみても体が冷たく、持ち上げられても微動だにしません。普段の寝ている様子とは異なるので、本当に亡くなってしまったと勘違いする飼い主も少なくないのです。
疑似冬眠を見分けるためには、死後硬直しているかどうかで判断できます。疑似冬眠では死後硬直をしないのでハムスターを手で触ったときに、身体が柔らかく弾力があります。
疑似冬眠であることが分かったら、ハムスターの身体を少しずつ温めながら動物病院に相談しましょう。急に温めると心臓に負担がかかり亡くなってしまうことがあるので、手のひらで温めてあげるのがおすすめです。
ハムスターの疑似冬眠やその予防方法などについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:ハムスターは疑似冬眠することがある!死亡との見分け方や、冬眠時の起こし方・予防法
そもそもハムスターの寿命は何年?何歳くらいになったら注意し始めるべきか
ハムスターの平均寿命は2~3年程とされています。どの種類でも平均寿命にほとんど差はありませんが、ジャンガリアンハムスターは約2年といわれており短命です。
ハムスターは犬や猫のような動物よりも早く成長し、老いてしまいます。人間と比較したときの年齢表は以下のとおりです。
ハムスターの年齢 | 人間の年齢 |
1カ月 | 7歳 |
2カ月 | 15歳 |
3カ月 | 18歳 |
6カ月 | 25歳 |
1年 | 30歳 |
2年 | 60歳 |
3年 | 90歳 |
ハムスターは成長が早くデリケートな生き物なので、年齢に関わらず病気やケガに注意しながら飼育しましょう。病気にかかるのは1歳以降が多いのですが、先天的に病気を持っていたり体が弱かったりするハムスターも存在し、1歳未満で亡くなってしまうこともあります。
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