猫の平均寿命は何歳?人間に例えたら何歳になる?
猫の平均寿命はおおよそ12~16歳。この寿命は、人に換算すると大体64~88歳にあたります。ただし猫を飼う場所(室内飼いか外飼いか)によっても平均寿命に差が出るので、詳しくは本記事をご覧ください。
猫に長生きしてもらうにはどうしたらいい?
飼い主が日々猫の健康を気遣い、猫にとってストレスにならない環境を用意してあげることが長生きの秘訣です。特にシニア期(7歳~)に入ってからは、信頼できるかかりつけ医で定期健康診断を欠かさず行うと良いでしょう。
猫の平均寿命は?長生きする猫・短命な猫も紹介
飼い猫の平均寿命は12~16歳ほどと言われています。なお犬の平均寿命は13歳前後なので、猫の方がやや寿命が長いということですね。猫は数あるペット動物の中でも、比較的寿命の長い生き物だといえるでしょう。
猫の種類による寿命の違い!
基本的には雑種や日本猫の寿命の方がやや長く、血統書付きの洋猫の方がやや短い傾向があります。飼育頭数の多い代表的な猫の種類と平均寿命の関係は以下のとおりです。
分類 | 種類・外見 | 平均寿命 |
・雑種
・日本猫 |
・トラ猫(サバトラ・キジトラ・茶トラ)
・三毛猫 など |
15歳 |
洋猫 | ・アメリカンショートヘア
・スコティッシュフォールド ・ロシアンブルー ・マンチカン ・メインクーン ・アビシニアン ・ノルウェージャンフォレストキャット |
13~14歳 |
猫は種類による体格差が比較的少なく、寿命の差もあまり見られません。上記の平均寿命の差も目立つほど大きなものではないため、あくまでも参考程度に捉えるのが良いでしょう。
種類よりも個体の特徴や飼育環境の方が寿命に大きく影響します。猫にたっぷりと愛情を注ぎストレスのない生活を心がけてあげれば、長く一緒にいられる可能性が高くなっていきますよ。
具体的な長生きの秘訣については「猫になるべく長生きしてもらうための飼い方のコツ」でも詳細を解説しています。ぜひチェックしてくださいね。
オス猫とメス猫ではどちらの寿命が長い?
猫のオスとメスではどちらが寿命が長いのでしょうか。この問いの答えはあいまいで、「寿命は変わらない」というデータと「メスの方が長生き」というデータの両方が存在します。なお野生の世界に限って見ると、縄張り争いやメスを奪いあっての喧嘩が多いオスの方が寿命が短い傾向があるようです。
ただし室内飼いの猫の場合は、オスとメスの差が生活に影響することがほとんどありません。オスもメスも寿命の差はほとんどないものと考えて問題ないでしょう。
猫の年齢を人の歳に例えたらどうなる?
猫の一生を6つのライフステージに分け、人間の年齢に照らし合わせて比較してみましょう。
猫の生育ステージ | 猫の年齢 | 人間の年齢に換算 |
子猫 | 0~6ヶ月 | 0~10歳 |
青年 | 7ヶ月~2歳 | 11~27歳 |
成猫 | 3~6歳 | 28~43歳 |
壮年(シニア) | 7~10歳 | 44~59歳 |
高齢 | 11~14歳 | 60~75歳 |
老猫 | 15歳~ | 76歳~ |
猫は人間よりも圧倒的に早いスピードで成長していきます。特に成長スピードが著しいのは、子猫から成猫になるまでの間です。たった1年半で人間でいう20歳にまで成長するのです。
生後2年程度で大人の体になり、3歳になる頃には心も成熟した立派な成猫に成長しているでしょう。それ以降は生育スピードが緩やかになっていきます。
7歳からはシニア猫と呼ばれ、人間でいうと40歳を越えたころにあたります。体の衰えが見え始め、病気が増えだす時期です。
11歳ごろからはいわゆる「老猫」として位置づけられます。筋力が低下するので、体の動きが目に見えてゆっくりになっていきます。ちょっとした体の不調が猫の命に関わってくるため、日々の健康チェックを習慣にして、ささいな体調の変化も見逃さないようにしましょう。
長寿猫のギネス記録は何歳?猫はどんどん長生きになっている
ギネス記録に登録されている長寿猫の年齢は38歳。アメリカ・テキサス州で飼育されていた「クリームパフ」というメスの猫です。猫の38歳を人間の年齢に換算すると、なんと170歳という想像を絶する年齢になります。
ちなみに飼い主のジェイク・ペリーさんはもう1匹猫を飼っており、そちらの猫の年齢も34歳というご長寿。平均寿命を16歳とすると、2匹とも平均の倍以上も生きていることになります。なんとも驚くべき記録です。
ちなみに日本における猫の最高齢は36歳です。青森県で飼われていた「もよ子」という猫の記録が残っています。
猫の寿命は延びており全体的に長寿傾向に!一方で病気のリスクは増加
30年前と比較すると、猫の寿命は3倍に延びたといわれています。理由は動物医療の技術が向上したことや、質の良いキャットフードが増えたこと・室内飼いが増えたことが考えられます。
なお猫の長寿傾向は今後も続くと予想されており、近い将来は平均寿命が20歳を越えるかもしれません。
愛する猫が1日でも長く生きてくれるのは嬉しいことです。しかしその一方で、長生きすればするほど病気のリスクが高まる点には気をつけなければいけません。特に11歳を越えると、以下のような病気にかかるリスクが高まります。
- 腎臓病
- がん
- 心臓病
- 関節炎
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
特に「腎臓病」「がん」は、猫の死因のうちおよそ半分の割合を占めています。猫の健康を守り長生きさせてあげるためには、病気のサインにいち早く気づいて病院にかかることが大切です。
猫になるべく長生きしてもらうための飼い方のコツ
愛する自分の猫には1日でも長く、元気に生きていてもらいたいものですよね。そのためには適切な飼育管理が不可欠です。
以下4つのポイントに注意して飼育しましょう。
- 健康状態を把握し病気のサインを見逃さない
- 基本的に室内飼いをしつつ、猫のストレスが溜まらないように室内環境を整える
- 運動量を確保し、太らせすぎない
- 常にきれいな水とトイレを準備し、腎臓に負担をかけない
それぞれの内容を詳しく確認していきましょう。
①健康状態を把握し病気サインを見逃さない
猫の寿命を延ばすためには、健康状態の管理が基本中の基本です。特にシニアの仲間入りである7歳を過ぎた猫は、いつ体を壊してもおかしくない状況にあります。体に異変がないか日々チェックしてあげましょう。
例えば以下のようなポイントを確認するようにしましょう。
- 排尿回数がいつもよりも極端に増えて(減って)いないか
- 排泄物に血が混じっていないか
- 排泄にやたらと時間がかかっていないか
- 食事の量がいつもより極端に減って(増えて)いないか
- 体を触ったときに骨を感じるほどガリガリに痩せていないか
- 体を触ったときにしこりがないか
- 1日中寝てばかりいたり、隠れるように丸まっていたりするなどの様子が見られないか
- 年に1回以上(シニア猫は2回以上)の定期健康診断を受診しているか
猫の死因トップ2である「腎疾患」と「がん」のサインを早期発見するには、上記の健康チェックが最も確実です。さらに、最新医療に詳しい「かかりつけ獣医」がいるとより安心です。
②基本的に室内飼いをしつつ、猫のストレスが溜まらないように室内環境を整える
前述のとおり、室内猫の寿命は明らかに外猫よりも長くなっています。猫は室内飼育を原則とし、以下のように室内環境を整備してあげましょう。
- 十分な数の爪とぎを用意する
- 割れ物や人の食べ残しなど猫にとって危険なものを室内に放置しない
- 猫が1人になれる場所や、静かでゆっくりできる場所を確保する
ストレスなくのびのびと生活できた方が長生きできるのは、猫も人間も同じです。猫が自分のペースで生活できるような環境を整えることが大切です。
③運動量を確保し、太らせすぎない
「肥満は万病の元」は猫にも当てはまり、肥満状態を放置しておくと脂肪肝や心疾患・糖尿病などの原因になります。室内猫は運動不足から肥満になりやすいため特に注意が必要です。
猫の肥満を防ぐには、次のポイントに気をつけましょう。
- キャットタワーなどを設置し、上下運動できる空間をつくる
- 猫とおもちゃで遊ぶ時間をとる
- おやつなど高カロリーなものをあげすぎない
肥満予防のために必要なのは、運動と正しい食生活の2点。運動の機会を増やすのに最もおすすめなのが、上下運動できるキャットタワーをいくつか設置することです。猫は高いところに登りたがるので、キャットタワーがあれば生活の中で自然と運動ができる環境がつくれます。タワーの上は静かに落ち着ける場所にもなるため、猫のストレス解消にもなり一石二鳥です。
運動不足改善には遊んであげることも大切ですが、無理強いは禁物です。猫とのコミュニケーションの時間として、ほどよく遊びの時間をつくってあげましょう。
また肥満予防には食生活にも注意が必要です。適切なフードの量を守り、猫の運動量に見合った量のおやつを取り入れてくださいね。
④常にきれいな水とトイレを準備し、腎臓に負担をかけない
猫は腎疾患になりやすい生き物です。腎臓へのダメージを防ぐには、十分な量の水を飲むことと我慢せずに排尿することが不可欠です。
具体的には以下のポイントを守りましょう。
- 水は常に新鮮なものを用意する
- 水飲み場は複数箇所用意する
- トイレは清潔に保つ
猫はきれい好きでこだわりの強い動物なので、汲んでから時間の経った水は飲まない・使用済みのトイレがあると排尿を我慢してしまうといった行動が見られます。水とトイレの様子は常に気にするようにしてください。
外出の多い飼い主の場合は、自動給水機を使用したり複数個のトイレを用意したりすることで、水とトイレの環境を整えてあげましょう。
寿命の近い猫が見せる老化のサインはある?
どれだけ健康に気を使って猫を飼っていても、いずれ寿命は来ます。年齢を重ねれば健康状態も悪くなるのが一般的です。大切なのは「老い」のサインを見逃さず、老猫にふさわしい飼育管理をしてあげることです。
猫の老衰が近くなったときに見られるサインを把握しておきましょう。
- 全体的に動きが鈍い
- 機敏に動けず、よたよたしている
- 毛並み・毛艶が悪くなる
- トイレの失敗が増える
- 1日中動かない・寝てばかりいる
- フードをあまり食べなくなる
これらのサインが増え出したら、一度動物病院に相談してください。
以下のような「介護」を見据えた飼育に切り替えていく必要があります。
- 老猫用のとろみフードに切り替える
- よく登る場所やトイレにスロープを用意する
- トイレの場所を寝ている場所の近くに変える
今まで以上に猫にストレスを与えない生活を意識し、穏やかな気持ちで過ごさせてあげることが大切です。
猫の年齢の判別方法とは?年齢の分からない猫の大体の年齢を知る方法
保護猫を飼っている場合、自分の猫の年齢が不明なケースもあるでしょう。猫の年齢が分からないときは「歯」を見ることで大体の年齢が予測できます。以下のポイントで猫の年齢帯をチェックしてみましょう。
歯の色 | 形・様子 | 予測年齢 |
白 | 尖っている・針のように細い※乳歯 | ~1歳 |
白 | 太さがあり尖っている | ~3歳 |
黄色 | ・摩耗がみられる
・歯茎に色素沈着がある |
~7歳 |
黄色・茶色 | ・大きくすり減っている
・歯茎に色素沈着がある ・抜けている歯がある |
7歳~ |
猫に長生きしてもらうには、ライフステージに合った飼育方法をする必要があります。歯を見てもよく分からない場合は自己判断せず、獣医師に相談してみましょう。
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