犬の平均寿命を種類別に解説!長生きする犬の特徴や、長生きのための育て方

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犬の平均寿命はどれくらい?

犬の平均寿命は10歳~15歳ほどです。大きさや犬種によっても寿命が異なるので、もし犬を飼うことを検討しているなら本文で解説している「犬の種類ごとの寿命」も参考にしてみてください。例えば人気犬種であるトイプードルの寿命は、平均15歳程度とされています。

犬に長生きしてもらうのは難しい?

犬を健康に長生きさせてあげるのは、そこまで簡単なことではありません。しかし最近では医療も発達し、正しいお世話の情報を得やすくなっています。そういった意味では昔よりも長生きする環境を整えやすくなったといえるでしょう。

犬の種類ごとの寿命一覧表!長生きする犬・短命な犬の特徴

9匹の犬

犬の寿命は「大きさ」や「犬の種類」によって異なります。

【犬の大きさごとの、平均寿命一覧表】

犬の大きさ 平均寿命
超小型犬

(体重5kg未満)

14.4歳
小型犬

(体重5kg~10kg未満)

14.4歳
中型犬

(体重10kg~20kg未満)

13.4歳
大型犬

(体重20kg~)

11.5歳

【犬の種類ごとの、平均寿命一覧表】

犬の大きさ 犬の種類 平均寿命
超小型犬 トイプードル 15.3歳
超小型犬 チワワ 13.8歳
超小型犬 マルチーズ 13.4歳
小型犬 ミニチュア・シュナウザー 13.7歳
小型犬 ミニチュアダックスフンド 14.9歳
小型犬 パピヨン 14.4歳
中型犬 ボーダー・コリー 13.1歳
中型犬 ビーグル 13.3歳
中型犬 スタンダード・プードル 11.8歳
大型犬 シベリアン・ハスキー 11.4歳
大型犬 ゴールデンレトリバー 10.9歳
大型犬 ブルドッグ 9.3歳

【混血種(雑種やMIX犬)の寿命】

犬の大きさ 犬の種類 平均寿命
小型犬 混血犬(体重10kg未満) 14.7歳
中型犬 混血犬(体重10kg~20kg未満) 14.0歳
大型犬 混血犬(体重20kg~30kg未満) 12.7歳

参考:2-3-8 犬種群別の平均寿命 家庭動物白書2021|アニコム

大型犬は小型犬と比べて平均寿命が短い、というデータが報告されています。その理由として考えられることは以下の通りです。

  • 大型犬は老化のスピードが早い(といわれている)
  • 大型犬は臓器の負担が大きい

犬の死亡データを分析した結果から、大型犬の方が老化スピードは早いと考えられています。しかし2022年時点では、その理由は解明されていません。

また臓器の大きさを大型犬・中型犬・小型犬で比べると、身体の大きさの差ほど臓器の大きさに差はありません。大型犬は身体に比べて臓器が小さいため負担もたまりやすく、臓器の衰えが原因で小型犬よりも短命になるという説もあります。

犬の平均寿命を他の動物(猫、うさぎ、ハムスター)と比較!

犬の平均寿命はうさぎやハムスターより長く、猫とほぼ同等となります。それぞれの平均寿命は下記の通りです。

【犬と他の動物(猫、うさぎ、ハムスター)の平均寿命比較表】

動物の種類 平均寿命
13.1~14.1歳
13.7~14.3歳
うさぎ 6.9~7.9歳
ハムスター 1.9歳

 

犬の寿命のギネス記録!最高何歳まで生きられた?

2022年現在、犬の寿命のギネス記録は「29歳5カ月」です。ギネス最高齢の犬種はオーストラリアン・キャトル・ドッグで、中型犬に属します。

オーストラリアのビクトリア州ロチェスターに住むLes Hall氏の飼い犬で、名前はブルーイ。ブルーイは1910年から飼われ、1939年11月14日に眠りにつくまで20年近く牛や羊の世話をしていたそうです。

参考:Oldest dog ever|Guinness World Records

犬の年齢を人間で例えると?1年で何歳分歳をとる?

2匹の犬

犬の年齢を人間の年齢に換算すると、下記の表のようになります。

犬の実年齢 人間の年齢に換算

※左:小型/中型犬の場合

※右:大型犬の場合

3カ月 5歳 2歳
6カ月 9歳 6歳
1歳 20歳 12歳
2歳 24歳 19歳
3歳 28歳 26歳
4歳 32歳 33歳
5歳 36歳 40歳
6歳 40歳 47歳
7歳 44歳 54歳
8歳 48歳 61歳
9歳 52歳 68歳
10歳 56歳 75歳
11歳 60歳 82歳
12歳 64歳 89歳
13歳 68歳 96歳
14歳 72歳 103歳
15歳 76歳 110歳
20歳 96歳 145歳

1年あたり小型犬と中型犬は人間の年齢に換算すると4年、大型犬は7年相当となります。ただし生まれた直後の成長スピードはこれに該当せず、さらに早くなります。上記の年齢表はあくまでも目安とはなりますが、食事などのケアの参考にしてください。

犬の寿命が年々伸び、長生きできる犬が増えている理由

ゴールデンレトリバー

1980年代には犬の平均寿命は2.6歳でした。しかし2008年では13.2歳、2019年には14.1歳と平均寿命が伸びています。伸びた理由としては以下のことが考えられます。

  • 飼い主が犬を番犬ではなく、家族と考えるようになった
  • フードの進歩
  • 獣医療の進歩

それぞれ解説します。

理由① 飼い主が犬を番犬ではなく、家族と考えるようになった

かつて犬は番犬として飼われ、外の犬小屋につながれたままの状態が一般的でした。しかし近年では大型犬でも室内で飼育するケースが増えています。犬の生活環境が大きく改善したことが、寿命が伸びた理由として考えられます。また犬を家族の一員と考える家庭も増えました。体調の変化があればすぐに病院に連れていくなど、適切な管理がされるようになったことも寿命が伸びた要因と考えられるでしょう。

理由② フードの進歩

またドッグフードの進歩によって寿命が伸びた可能性もあります。かつてドッグフードには4Dミートが使われている時代がありました。4Dミートとは粗悪な材料のフードで、以下を使用しています。

  • DEAD(と殺以外で死んだ動物の肉)
  • DISEASED(病気の動物の肉)
  • DYING(死にかけの動物の肉)
  • DISABLED(障害がある動物の肉)

しかし現在ではヒューマングレードドッグフードや、犬の病気を予防する療法食も発売されています。ヒューマングレードドッグフードとは、人間が食べるものと同程度の衛生基準で管理されたドッグフードのことです。

理由③ 獣医療の進歩

昔の獣医療では、犬の具合が悪くても病名さえ分からないことがありました。しかしCTやMRIなどが登場したことにより、診断の精度が上がってきています。

獣医療の中で特に進歩が著しいのは再生医療。再生医療とは、病気や事故で失われた身体の一部や機能の再生を目指した治療法を指します。再生医療の中でも椎間板ヘルニアに関する治療が進歩しており、近年では手術なしで回復できるケースも増えてきました。

椎間板ヘルニアは犬の健康寿命を大幅に下げる病気で、場合によっては歩けなくなるほど重症化することも。それほどの病気でも治療できる時代になってきたため、寿命が伸びてきていると考えられます。

犬を飼う(健康に長生きしてもらう)ことの難易度は高い?

布をかぶった犬

犬を飼い、健康に長生きさせてあげるのは簡単なことではありません。

犬を長生きさせてあげるには、住環境を整え、栄養バランスのよい食事を与えることが大切です。そのためには飼い主が知識を蓄えることも重要。また日ごろから犬とよく触れあって、ささいな変化に気づけるようにしなければいけません。加えて高齢の犬の場合は、適度な運動も大切です。

高齢の犬は行動力が減り、散歩に行かなくなりがちです。しかし運動不足は肥満だけでなく、ストレスの原因にもなるでしょう。肥満やストレスが原因で病気にかかってしまう可能性もあるため、可能な範囲で散歩に連れていき運動不足を解消しましょう。

また肥満になると、糖尿病にかかりやすくなります。犬が糖尿病になると1日1~2回のインスリン投与をする必要があり、基本的には犬の背中に飼い主が注射をすることになります。インスリンの費用は毎月20,000~30,000円くらい。症状が悪化して入院が伴うと、100,000~200,000円かかることもあります。

このように犬に健康に長生きしてもらうには、多大な労力と費用がかかります。それを踏まえて本当に最後まで大切にしてあげられるかをしっかり考えてから、家族として迎え入れるかどうかを検討してみてください。

犬になるべく長生きしてもらうための飼い方のコツ

犬の首をなでる男性

犬に長生きしてもらうため、飼い主が気をつけるべきポイントは以下の4つです。

  • 年齢に合った食事を与える
  • 適度に運動をさせる
  • 毎日、犬とコミュニケーションをとる
  • 住環境を整える

1つずつ解説していきます。

コツ① 年齢に合った食事を与える

年齢によって必要なカロリーや栄養成分は異なります。例えば成長期の子犬にはカロリーの高いドッグフードが必要です。しかし成犬になってからの高カロリーの食事は、肥満へつながりやすいため避けた方がよいでしょう。

また少しフードを変えるだけで健康状態に異変が見られる場合もあります。動物病院に相談しながら、定期的に「今の愛犬に最適な食事」を考え続けることが大切です。

コツ② 適度に運動をさせる

適度な散歩の目安は下記の通りです。

  • 小型犬は1日1回15分
  • 中型犬は1日2回30分以上
  • 大型犬は1日2回1時間以上

同じ大きさでも、犬種によって必要な運動量が変わります。例えば愛玩動物より、牧羊犬や狩猟犬の方が多くの運動量が必要です。つまりコーギーのような牧羊犬は、チワワなどの愛玩犬よりも散歩の量を増やす必要があるといえるでしょう。

ただし犬の年齢によっても適切な運動量は変わります。高齢の犬を無理やり散歩に連れていった結果、逆に怪我をしたり体調不良になったりしては本末転倒なので、犬の様子を観察しながら適度な運動を行いましょう。

コツ③ 犬がストレスを抱えないよう、様々なコミュニケーションを心掛ける

犬は飼い主とのコミュニケーションで、精神衛生上よい効果を得られます。幸せホルモンや脳の活性化、ストレスの軽減などがよい効果の一例です。

しかし飼い主とばかりコミュニケーションをとっていると、分離不安に陥る危険性もあるでしょう。分離不安とは、飼い主と離れたときに犬の気持ちが不安定になってしまう精神状態のこと。その結果以下のような行動をとるようになります。

  • 長時間、吠え続ける
  • 物を破壊する
  • 粗相をする

分離不安を避けるには、飼い主以外の人とも交流することが大切です。散歩のときに他の犬や飼い主と触れ合ったりドッグランに連れていったりなど、様々な環境を体験させてあげましょう。

コツ④ 住環境を整える

犬にとって長生きしやすい住環境としては、以下が考えられます。

  • 清潔な空間
  • 快適な気温
  • 犬にとって危険なものがない空間
  • 室内での生活

犬と人間が過ごしやすいと感じる住環境に大きな差はありません。

ただしフローリングには要注意。犬にとってフローリングは滑りやすく、危険な床です。転んだり踏ん張ったりすることで、犬にとって大きな負担やケガにつながりやすくなります。じゅうたんやコルクを敷く、難しければ部屋の一部にラグを敷くといった対策をとるだけでも、犬にかかる負担を減らせるでしょう。

犬の寿命が近づいてきているときのサインや症状

目を閉じて横になる犬

犬の寿命が近づいてきているときのサインや症状は、主に5つあります。以下がサインや症状の一例です。

①食欲が低下する

②動作がゆっくりになる

③睡眠時間が長くなる

④体温が低下する

⑤呼吸が安定しなくなる

死期が近いと、犬の体温は人間と同じか少し低いくらいになります。

また寿命が迫っている犬の場合、呼吸に大きな変化が見られるようになります。

  • 呼吸しているのに、胸が上下に動かない(口だけ動く)
  • しゃくりあげるような呼吸
  • あえぎに似た呼吸

このような呼吸は「死戦期呼吸」といわれます。このように明らかにいつもと違う様子が見られた際は、すぐにかかりつけの病院へ連れていきましょう。しかし中には少しの変化しかなく、気づきづらい場合もあります。犬を常に観察し、ささいな変化にも気づけるよう準備しておくことが大切です。犬の寿命が近づいてきた際のサインについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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