ペット(犬・猫など)が死んだらどうする?やること一覧と供養・埋葬までの流れを解説

仏壇の前に座る犬 ペット火葬・葬儀

ペット(犬や猫など)が死んだ時に必要な手続きはある?

犬が亡くなった時は、居住する市区町村へ届け出る必要があります。犬以外(猫・うさぎ・ハムスターなど)が亡くなった場合は必要ありませんが、特定動物(テナガザル科・クマ科・カミツキガメ科など)の場合は届け出が必要。亡くなった遺体は動物の種類にかかわらず、火葬して供養するのがおすすめです。

ペット(犬や猫など)が死んだあとは、どんな流れで何をすればいい?

ペットが亡くなった後にすることは、以下の通りです。「1安置してお別れの準備をする」「2ペットの葬儀業者(火葬業者)に連絡し、プランを決める」「3葬儀(火葬)を行う」「4自分たちが決めた方法で供養をする」「5自治体で手続きをする(届け出を出す)」「6忌日に合わせて供養や法要を行う」。記事内で1つずつ詳しく解説していきます。

ペットが死んだらすること①:安置してお別れの準備をする

目をつぶり横になる犬

まずはペットの死亡確認を行い、本当に亡くなっている場合は遺体を清めて安置しなければいけません。これらは飼い主にとってはつらく、気の進まない作業でしょう。しかしペットの体が死後硬直したり腐敗が進んだりする前に、早めに行う必要があります。

死亡確認の方法

ペットが自宅で亡くなった場合は、以下の3点を確認してください。

  • 呼吸しているか
  • 心臓、脈が動いているか
  • 瞳に光を当てた時に反応があるか

全てが確認できない場合は、亡くなっている可能性が高いでしょう。しかし「自分では確実な判断ができているか心配」「大切なペットの死亡確認をするのはつらい」という人も多いと思います。その場合は動物病院に連れていき、獣医師に判断してもらうのがおすすめです。

遺体を清める方法

体が汚れていると腐敗を早めてしまう原因となるので、湿らせたガーゼなどで体を優しく拭き取ります。鼻やおしりなどから体液が出てくる場合は、脱脂綿などを当ててあげてください。

体がきれいになったら体勢を整えます。手足を軽く曲げ、体を丸めるような体勢にしてください。また眼が開いている場合は、まぶたを指で優しく閉じてあげましょう。すでに死後硬直が始まっており、体勢を変えられない場合は無理に動かさず布などで覆ってあげてください。

遺体を安置する方法

清潔な段ボールにペットシーツやタオルを敷き、その上にペットを寝かせます。体の温度が高いと腐敗が進みやすいので、涼しい部屋の直射日光が当たらない場所に安置しましょう。夏場はエアコンを使って、なるべく部屋の温度を下げておきます。

保冷剤やドライアイスを使って、体全体を冷やしましょう。内臓から腐敗が進みやすいので、特にお腹の温度が上がらないように気を付けてください。

ペットが死んだらすること②:ペットの葬儀業者(火葬業者)に連絡し、プランを決める

手を合わせる葬儀業者

ペットを供養する前に、葬儀(火葬)をして遺骨の状態にしてあげるのが一般的です。火葬せずにそのまま庭などに埋めることもできますが、虫や臭いが発生する可能性も。また他の野生動物に掘り返されることがあるためおすすめはしません。

火葬をしたうえで、遺骨をどのように保管し供養するかを考えてみてください。

ペットの火葬を行うには、専門業者に依頼する必要があります。

火葬の依頼先は一般的に「霊園」「火葬車専門業者」のどちらか

ペット火葬業者を大きく2つに分けると「ペット霊園」と「火葬車専門業者」があります。

「ペット霊園」は、一般的にイメージされるペット用の霊園(お墓がある施設)のこと。ペットを霊園に連れていき、霊園内にある火葬施設で火葬を行います。場合によってはペットを引き取りに来てもらい、火葬を完全にお任せできるプランもあります。

対する「火葬車専門業者」はその名の通り、火葬が行える設備を搭載した車の中で火葬を行う業者。自宅(もしくは近くの安全な駐車場など)に来てもらい、その場で火葬を行います。ペット霊園までの移動が難しい人におすすめの方法といえるでしょう。また夜間や早朝に依頼できるケースも多いため「葬儀の時間が取れない」という方にもよく利用されています。

ペット葬儀(火葬)の内容はプランによって異なる

ペット霊園・火葬車専門業者ともに、プランがいくつか設けられていることが多いでしょう。どのプランを選ぶかによって葬儀(火葬)の内容が異なります。

主なプラン 内容
合同火葬 ・1つの火葬炉で、他のペットと同時に火葬を行う

・返骨されない

・費用が最も安い

個別一任火葬 ・自分のペットだけで火葬を行う

・返骨は可能だが、立ち会いやお骨上げはできない

個別立会火葬 ・個別で火葬を行い、火葬中の立ち会いやお骨上げができる

・他のプランと比べて費用が高い

遺骨を返却してもらいたいのであれば「合同火葬」以外を選ぶようにしましょう。プランによってどのような葬儀を行えるのか・どこまで参加できるのかが異なるため、事前によく確認しておいてください。疑問点は業者に相談してみるのがおすすめです。

ペットの火葬業者や費用については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:ペット火葬(葬儀)業者の選び方!各社何が違うのか?信頼できるかどうかを見極める方法も

関連記事:ペット火葬(葬儀)の費用相場!料金体系や、サイズ/火葬方法別の費用例!

ペットが死んだらすること③:葬儀(火葬)を行う

骨つぼ

前述の通り火葬当日はプランによって飼い主にできることが異なるので、ペット霊園スタッフの指示に従いましょう。

一般的にペットとのお別れの際には、棺やダンボールにペットが好きだったおやつ・おもちゃ・お花などを添え、最後の挨拶をします。霊園に引き取りに来てもらうプランを選んだ場合は自宅でお別れをし、その後はスタッフにお任せすることになります。

火葬後は通常お骨上げを行いますが、プランによってはスタッフにお骨上げもしてもらう形になるでしょう。もしくはそのまま埋葬されるケースもあります。

ちなみにペット葬儀(火葬)時の服装は、派手な服やアクセサリーを選ばなければ平服でも問題ありません。しかし人間の火葬も行っている公共の火葬場を利用する時や、友人などに招かれた時は喪服(もしくは黒を基調とした落ち着いた服装)を選んだ方が無難です。

必要に応じて以下の持ち物を用意しましょう。

  • ハンカチ
  • 数珠
  • ペットの写真
  • お花
  • ペットのおやつ、おもちゃ

なお火葬の際、金属・プラスチック・ゴム・衣類・お金などは棺に入れられません。

葬儀の方法やマナーについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事:ペット火葬の服装は喪服?私服?持ち物や葬儀マナーもあわせて解説

関連記事:ペット火葬時の花は何がいい?おすすめ6選とNGな花5選!選び方も解説

ペットが死んだらすること④:自分たちが決めた方法で供養をする

墓前に供えられた花

火葬をした後は、ペットの遺骨を正しく管理し供養をしてあげましょう。供養とは仏壇やお墓に花や食べ物などをお供えし、冥福を祈ることをいいます。

ペットの供養方法には、さまざまな選択肢があります。決まりはないので、飼い主や家族が納得できる方法を選ぶことが大切。ここでは一般的な供養方法を4つご紹介します。

※火葬の際に遺骨を返却してもらえるプランを選択した場合は、自分たちの好きな方法で供養ができます。しかし「合同火葬」などの遺骨が返却されないプランを選ぶと、基本的にペット霊園の合同墓地に埋葬されることが多いので注意してください。

供養方法①:ペット霊園のお墓に埋葬

ペット霊園のお墓に埋葬する方法です。複数のペットが一緒に埋葬されている「共同墓地」と、ペットごとにお墓を建てる「個別墓地」があります

共同墓地は「なるべく埋葬費用を抑えたい」「寂しくないように他のペットと一緒に埋葬したい」という飼い主におすすめ。「他のペットと同じ場所に埋葬したくない」

「人間と同じようにお墓を建ててあげたい」という飼い主は、個別墓地を選ぶといいでしょう。

供養方法②:納骨堂に納骨

納骨堂とは、遺骨を納める専用のスペースを設けた建物のこと。屋内に納められていることが一般的なので、管理が比較的簡単で天候を気にせずに参拝できるというメリットがあります。「ロッカー式」や「仏壇式」といった、さまざまなタイプの納骨堂が存在します。

供養方法③:手元供養

火葬後に返骨してもらい、自宅に遺骨を置いて供養する方法。ペットが亡くなった後も存在を身近に感じられるので安心があり、いつでも手を合わせられるというメリットがあります。ペット専用の仏壇や棚、仏具などを用意して供養することが一般的。

気持ちが落ち着くまでの一定期間だけ手元供養を行い、四十九日や百箇日などに納骨することもできます

供養方法④:自宅の庭に埋葬

火葬後に返骨してもらい、自宅の庭に埋めて供養する方法です。遺骨を埋めた場所にペット用のお墓などのモニュメントを置いたり、木を植えたりして供養することが一般的です。

他人の土地や公共の場には埋葬せず、必ず飼い主が所有する土地で行いましょう

供養方法の詳細は、こちらの記事でも解説しています。

関連記事:ペットの供養方法は4種類!自宅(手元)供養のやり方や必要なもの・費用を紹介!

ペットが死んだらすること⑤:自治体で手続きをする(届け出を出す)

飼っている犬が亡くなった場合は速やかに、居住の市区町村へ死亡届を提出してください。「鑑札」や「注射済票」の返却を求められることが多く、詳細は市町村によって異なります。

参考:ペットが死亡した場合の手続き|大阪市

犬の死亡届はいつまでに出す?手続きをしないとどうなるのか

犬の死亡届は、亡くなってから30日以内に提出しましょう。死亡届の手続きを行わないと犬が生きているとみなされるので、狂犬病の予防接種のはがきが郵送され続けます。

犬の飼い主は狂犬病予防法という法律によって、飼い犬に予防接種を受けさせる義務があります。そのまま放置していると法律違反となり、20万円以下の罰金を受ける可能性があるため注意してください。

犬以外のペットが死んだ場合は、自治体での手続きは不要なことが多い

猫やうさぎ・ハムスターといったペットには、亡くなった時の手続きは必要ありません。犬のように狂犬病の予防接種をする必要がなく、もともと飼っていることを登録していないので亡くなった場合も手続きが不要なのです。

特定動物(テナガザル科・クマ科・カミツキガメ科など)は届け出が必要ですが、そもそも一般の人が飼育することは禁止されています。動物園や研究施設といった特定の目的がない人は、基本的に該当することはないでしょう。

ペットが死んだらすること⑥:忌日に合わせて供養や法要を行う

役所

ペットが亡くなった後は、定期的に法要を行い供養しましょう。

法要とは亡くなったペットの冥福を祈る儀式のことで、普段の供養よりも少し手厚いお祈りをします。

法要を行うタイミング(忌日) 詳細
①初七日 ・命日を含めた7日目

・三途の川にたどり着く日とされており、天国に行けるように供養を行う

②四十九日 ・命日を含めた49日目

・亡くなったペットがあの世へ行く日とされており、忌日の中でも最も大切な日

③百箇日(ひゃっかにち) ・命日から100日後

・「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれ、泣き悲しむ(哭)状態から卒業するという意味を持った日

④一周忌や三回忌 ・命日の1年後は「一周忌」、2年後は「三回忌」

・三回忌は命日から3年後と誤解されやすいが「これから3年目を迎える」という意味のため、命日から満2年後を三回忌と呼ぶ

⑤お盆 ・魂が家に帰ってくる期間とされ、一般的には8月13日~16日

・人間のご先祖様と同様に感謝をし、供養を行う

⑥お彼岸 ・春分の日と秋分の日を中心とした前後3日間の計7日間を指し、3月の春彼岸と9月の秋彼岸がある

・ペットの魂が近づくとされている日で、お墓参りに行くことが一般的

⑦定例法要 ・お寺や霊園が、定期的に開催している法要

・毎月決まった日にちに行うことが一般的で、合同で行うため気軽に参加できる

各忌日の詳細は以下の記事でも解説しています。

関連記事:ペット(犬・猫など)の四十九日は何をする?日程の計算方法や過ごし方・法要の内容を解説

ペットが亡くなった時によくある質問

火葬はした方がいいですか?そのままお庭に埋めてあげるのはだめ?

亡くなったペットは、火葬を行ってから供養するのがおすすめです。遺体を自宅の庭に土葬(火葬せずにそのままの姿で埋葬)すると、腐敗臭や虫が発生したり野生動物に掘り起こされたりする可能性も。近隣の人とのトラブルにつながるケースもあります。

ペットが死んだら動物病院に知らせた方がいいですか?

ペットが自宅で息を引き取った場合は、落ち着いてからでも大丈夫なのでかかりつけの動物病院に知らせるといいでしょう。ただし動物病院への連絡は義務ではないため、連絡できない理由がある場合は無理にしなくてもOKです。

犬は死後何時間(何日)程度で火葬した方がいいですか?

できれば3日以内に火葬をしてあげるのがおすすめです。それ以上経過すると、遺体が腐敗してしまう恐れがあるからです。自宅で安置できる期間は冬場であれば2~3日、夏場は1~2日が目安。なお動物の大きさや気温によって腐敗の進行具合が異なります。時間が経過すると腐敗臭の発生は避けられないので、なるべく早いうちに火葬してあげましょう。

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