ペットの四十九日(しじゅうくにち)には何をしてあげたら良い?
犬や猫などの四十九日には、人間と同じように法要を行ってあげましょう。具体的な内容は「読経」「お墓参り」などがあります。自宅で供養している場合にはお花を添えてあげたり、家族全員で集まって食事をしたり、いつもより手厚く供養してあげましょう。具体的な供養方法は記事内で解説していきます。
ペットの四十九日はどうやって数える?当日の過ごし方は?
ペットの命日を1日目として、49日目が「四十九日」になります。地域で考え方に違いがあるので、厳密に計算したい場合は、ペット火葬を行った業者に相談してみるのもおすすめです。
そもそもペットの四十九日とは?意味や目的・日程について解説
四十九日とは簡単に説明すると、命日から数えて49日目に訪れる、仏教上重要な日のことです。
四十九日が来るまでは、ペットの魂は現世にあるとされ、四十九日以降は天に登るとされます。そのため仏教では、四十九日のことを「忌明け(きあけ)」と呼び、この日をもって追悼する期間を終えます。
つまり四十九日は、亡くなったペットがこの世から天国に向かう「境目」になる大切な日ということです。そのような理由から、四十九日には特別な法要を行うのが一般的です。
ペットの四十九日の数え方!命日(忌日)からの計算方法を解説
ペットの四十九日も人と同様に考え、命日を1日目として49日目の日を指します。「命日の48日後の日付(命日+48日)」という覚え方でも良いでしょう。
ただし関西では、命日の前日を1日目として数える風習もあります。ペットの葬儀・法事に厳密なルールはないため、お住まいの地域のスタンダードな考え方に合わせて問題ありません。
なお本来、法要は「初七日(しょなのか)」に始まり「二七日(ふたなのか)」「三七日(みなのか)」…と7日毎に続きます。しかしこれらは省略されることが多いので、四十九日のみ法要を行うという家庭もあります。ご家族と一緒に、どのタイミングで法要をするのかを考えてみてください。
ペットの四十九日には何をするべき?法要やおすすめの供養方法
「犬や猫などの四十九日には何を行えばいいんだろう」と悩む方も多いと思いますが、原則としてペットの法事に厳密な決まり事はありません。そのため「飼い主が必要だと思う供養をすればいい」ということが大前提です。その点を頭においたうえで、これからの内容をチェックしてみてくださいね。
ペットの四十九日には、以下の法要・供養を行うのが一般的です。
- 自宅供養の場合はいつもより手厚い供養をする
- お墓参り
- 僧による法要(読経やお焼香)
- 納骨
それぞれ具体的に見ていきましょう。
ペットの四十九日で行うこと①:自宅供養の場合はいつもより手厚い供養をする
ペットの遺骨を自宅で手元供養している場合、四十九日にはいつもよりも手厚く供養をしてあげましょう。具体的な内容は次のとおりです。
- 仏壇(遺骨)にペットの好物をお供えする
- 線香やロウソクを使ってお祈りをする
- 家族で集まって食事会をし、ペットとの思い出を話す
法事のように大々的なものでなくても構わないので、ペットと生活を共にした家族全員で集まる時間をつくれると良いですね。ペットが元気だった頃の思い出や写真・動画を振り返って生前を偲ぶ(しのぶ)時間にしてあげましょう。
ペットの四十九日で行うこと②:お墓参り
すでにペットのお墓や納骨堂がある場合は、お墓参りをして四十九日を過ごすという方法もあります。
お墓・納骨堂へのお供え物は、お気に入りだったおやつやおもちゃ・お花が良いでしょう。ただし霊園の管理するお墓にお供えをする時は、お供え物のルールを事前に確認しておきましょう。なおお供え物の持ち込みがNGだった場合は、お墓参りの最中だけお供えして持ち帰るのもひとつの手です。
ペットの四十九日で行うこと③:僧による法要(読経やお焼香)
僧にお経を読んでもらうことで、ペットの魂が無事に天国へ行けるよう供養を行います。ペットの場合は、ペット霊園などが主催する「合同法要」に参列して、僧による法要(読経)を受けるのが一般的です。もちろん人の法事の時のように、個別に僧を手配して読経してもらっても構いません。
ペット霊園などの合同法要は、霊園のスケジュールに沿って開催されています。霊園によってスケジュールは異なりますが、「月例」や「彼岸」のタイミングで開催されることが多いようです。お近くの霊園のスケジュールを確認し、自分のペットの四十九日と近い日付で開催される法要に参列しましょう。なお合同法要は、他の霊園で火葬をした飼い主でも参列可としている霊園が多いです。
合同法要に参列する時のマナーや持ち物などの詳細は後ほど解説します。
ペットの四十九日で行うこと④:納骨
自宅でペットの骨壷を保管し手元供養を行っている場合、四十九日のタイミングでお墓や納骨堂などに納骨するケースも多く見られます。
納骨のタイミングとして「四十九日」が選ばれる理由は、魂が現世を離れる区切りの日だからです。特にペットロスに苦しんでいる飼い主の場合、納骨することで気持ちの整理がつきやすくなるという効果もあります。
ペットの遺骨を納骨する方法には以下の選択肢があります。
- ペット霊園や寺院の墓・納骨堂に納骨する
- 自宅に納骨用の仏壇をつくる
- 自宅に埋葬する※引っ越しなどがない場合に限る
ペット霊園などに納骨する場合は、共同墓地(納骨堂)か個別墓地(納骨堂)どちらにするか選ぶことになります。それぞれの料金や特徴については、供養方法をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:ペットの供養方法は4種類!自宅(手元)供養のやり方や必要なもの・費用を紹介!
また納骨と同時にペットの「位牌(いはい)」を作成するのもおすすめです。手頃なものだと5,000円ほどから購入することができ、かわいらしいデザインや簡易的な位牌もあります。
ペットの四十九日に供える花を選ぶ時の注意点・ポイント
お供え物として花を選ぶ場合は、「キク」「トルコキキョウ」など法要の場に適した花を選ぶと良いでしょう。ペット葬儀専用のアレンジメントを準備するのもおすすめです。
一方、法要やお墓参りの場で避けた方が良い花は以下のとおりです。
<ペットへのお供え物として避けるべき花>
- 花言葉が不適切なもの(例:ヒガンバナ「悲しい思い出」など)
- トゲのある花(例:バラ・アザミなど)
- 枯れている花
- 外で摘んだ花
ペットに手向ける花の詳しい選び方は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:ペット火葬時の花は何がいい?おすすめ6選とNGな花5選!選び方も解説
ペットの四十九日に合同法要(動物供養祭)に参列する時のマナー
ペットの合同法要(動物供養祭)で行われるのは、主に次の内容です。
- お焼香
- 読経
- 僧による説話
本来ペットの葬儀・法事に明確なマナーはありません。しかし上記のような仏教的な儀式がある以上、TPOをわきまえた服装・行動は必要です。最低限の配慮として、以下は避けるようにしましょう。
- 香水や柔軟剤など、強い香りのするもの
- 華美な服装
- アニマルファーを使用した服・アイテム
ペットのみの霊園であれば平服で参列しても問題ありませんが、落ち着いた色合いの服装が望ましいでしょう。一方人の葬儀も行われる寺院の場合は、セミフォーマルや黒を基調とした服装で参列します。
ペットの合同法要に参列する時の持ち物
- 数珠(じゅず)
- ハンカチ
- お供え物(花・おもちゃ・ペットの好きだったおやつなど)
- 参加費(施設による)
お焼香や読経があるため、数珠は必ず持参しましょう。ペットとの思い出が蘇り涙が溢れてくることを考え、ハンカチも用意しておくと安心です。
霊園にペットの墓がある場合は、お供え物も持参しましょう。ただし生もの(なまもの)などはお供え不可になっている場合もあるため、必ず霊園のスタッフにルールを確認するようにしてくださいね。
参加費も施設によって金額や有無がまったく異なります。必ず事前に情報を確認しておきましょう。
ペットの四十九日法要にお布施は必要?
合同法要のお布施は、3,000~5,000円が相場とされています。ただし「不要」としているところや参加費に含まれている場合もあるため、詳細は霊園に直接問い合わせるのが確実です。
なお個別に僧を招いて読経などの四十九日法要を行った場合は、5,000~20,000円程度がお布施の相場です。
ペットの四十九日までの過ごし方
愛犬や愛猫を失った悲しみからなかなか立ち直れず、ペットロスになってしまう方も多いことでしょう。四十九日法要はもちろん亡くなったペットに向けたものですが、飼い主の悲しみを癒やす手段でもあります。四十九日までは家にいるペットの魂も、この日を過ぎたら天に登っていくものです。四十九日を心の整理の日として、ペットロスを癒やすために動き始めてみてはいかがでしょうか。
心の区切りをつける手段としておすすめなのが、四十九日の法要に向けてペットの遺品を整理すること。思い出を振り返りながら、少しずつ遺品整理を進めていきましょう。悲しくなったら我慢せずに涙を流し、思いを共有できる人に話しを聞いてもらうことも大切です。
四十九日までは無理をせずゆったりと過ごすようにし、ゆっくりと悲しみから回復していくことを目指しましょう。
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