プランター葬とはどういう埋葬方法?
プランター葬とはプランター(植木鉢)に土を入れて、遺体や遺骨を埋葬する方法です。庭への埋葬に比べてメリットが大きいため、プランター葬を検討する人も多いでしょう。ただし大きなデメリットもあるので、記事で詳しく解説していきます。
プランター葬にリスクはない?
プランター葬は亡くなったペットを身近に感じられる埋葬方法ですが、リスクもあります。それは臭いや虫が発生してしまう可能性があること。ただし対策もあるので、この記事で詳しく解説していきます。
プランター葬とは?植木鉢を使った埋葬方法のこと!
プランター葬とは、プランター(植木鉢)に土を入れて遺体や遺骨を埋葬する方法のこと。プランター葬にはペットの遺体を火葬せずにそのまま入れる方法と、火葬後の遺骨を入れる方法の2つがあります。
プランター葬はペットの遺体や遺骨を近くに埋葬できるため、ペットと離れたくない方や庭などがない方におすすめです。しかし注意点もあるので、下記で解説するメリットと注意点を参考にしてください。
プランター葬を行うメリット3選
プランター葬を行うメリットは以下の通りです。
- 土地を所有していなくても埋葬できる
- 引っ越しのときに一緒に連れていける
- ペットを身近に感じられる
それぞれのメリットについて、詳しく確認していきます。
メリット① 土地を所有していなくても埋葬できる
プランター葬のメリットは、庭への埋葬とは違い土地を所有する必要がない点にあります。賃貸でも小さなベランダなどがあれば、プランター葬を行えます。
「できれば広い庭に埋めてあげたい」と考える飼い主の方も多いかもしれませんね。しかし庭へ埋葬する場合、気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。例えば私有地以外で埋葬してしまうと法律違反となり、下記の罰則が科せられてしまうため注意が必要です。
- 許可なく他人の土地に埋葬した場合:「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」
- 公園などの公共の場に埋葬した場合:「1~30日以内の拘留または1,000~1万円以内の過料」
また私有地であっても、水質汚染につながる恐れのある場所(水流源)への埋葬は禁止されています。庭や土地への埋葬は法律が絡んでくるので、安易に行うことはおすすめできません。
一方でプランター葬は、土地を所有していなくても行える埋葬方法です。正しい方法で埋葬すれば法律に触れたり、ご近所トラブルになったりする可能性も低いでしょう。多くの方におすすめできる埋葬方法といえます。
メリット② 引っ越しのときに一緒に連れていける
プランター葬であれば、引っ越しをした場合でも一緒に連れていくことが可能です。庭やペット霊園への埋葬だと、引っ越し時にペットと離れてしまう可能性もあるでしょう。
しかしプランター葬であれば、引っ越し先へプランターごと運べるためペットと離れる心配がありません。引っ越しをする機会が多い方・住む場所を固定したくない方・ペットと離れたくない方におすすめの埋葬方法です。
メリット③ ペットを身近に感じられる
プランター葬はペットを身近に感じられる埋葬方法です。プランターであればすぐそばに置けるので、毎日手を合わせて声をかけてあげることもできます。ペットから離れなくてもいいという嬉しいメリットがありますね。
亡くなる前と変わらずペットと同じ家で過ごせるので、さみしい気持ちも和らぐかもしれません。亡くなったあとも一緒に過ごしたい方には、おすすめの埋葬方法といえるでしょう。
プランター葬のデメリットや注意点3選
プランター葬は限られたスペースでも行えるなどのメリットがある一方で、デメリットや注意が必要な点もあります。
デメリットや注意点は下記の通りです。
- 臭いや虫が発生する恐れがある(火葬をしなかった場合)
- 動物に掘り返される可能性がある(火葬をしなかった場合)
- 土に還るまでに時間を要する(土に還るタイミングが分からない)
それぞれの注意点について詳しく解説します。
注意点① 臭いや虫が発生する恐れがある(火葬をしなかった場合)
火葬をせずにプランター葬を行った場合によく起きる問題が、臭い・虫の発生です。特に臭いが出ると近隣住民へ迷惑をかけてしまい、トラブルへ発展する恐れもあります。
ただし置き場所に気をつける、受け皿の水を定期的に捨てるなどすれば臭い・虫の発生は最小限に抑えられるでしょう。プランター葬の正しいやり方・埋葬方法については記事の後半で紹介しているので、ぜひご確認ください。
注意点② 動物に掘り返される可能性がある(火葬をしなかった場合)
プランター葬では比較的浅い場所に埋葬するため、動物に掘り返される可能性があります。2階以上の高所にプランターを置いた場合でも、鳥などに狙われる恐れがあるので油断しないようにしましょう。
動物に掘り返される主な原因は臭い漏れです。火葬をしなかった場合は臭いが発生する可能性があります。そのため臭いが発生しないよう、火葬してから埋葬してあげてください。
ペットの遺体を掘り返されたくない方・掘り返されないか不安な方は、違う埋葬方法を検討しましょう。
注意点③ 土に還るまでに時間を要する(土に還るタイミングが分からない)
プランター葬は、ペットが土に還るまでに時間がかかってしまいます。また土に還ったタイミングが分かりにくい点もデメリットといえるでしょう。ハムスター・インコ・文鳥といったそれほど大きくないペットでも、火葬しなければ土に還るまでに10年程度かかるといわれています。
10年はあくまでも目安で、さらに長い年月がかかる可能性もあるでしょう。プランター葬を行う前に、長期間管理できるかどうかも考えておいてください。
管理が難しい方は火葬してから遺骨をプランターに埋葬するか、別の埋葬方法を検討してくださいね。
プランター葬は本当に大丈夫?その後の臭いや虫などの被害について
「プランター葬を行っても本当に大丈夫?」「虫や臭いが発生してしまわないか心配で迷っている」という方もいるのではないでしょうか。
プランター葬を行った結果「土の中に小さな白い虫が湧いてきた」「野良猫に掘り返されてしまった」という人も実際にいます。
しかしこれらは、ペットの遺体を火葬せずに土の中に埋めてしまったことが原因で起きています。基本的には火葬を行えば虫や臭い・掘り返しなどの問題は防げるでしょう。そのためどのような方法を選択するにしても、遺体を火葬してから供養することをおすすめします。
プランター葬を行うかどうかは、火葬前提で考えてみてください。
プランター葬がおすすめな人 | ・土地を所有しているわけではないが、自宅の庭やそれに近い環境で埋葬してあげたい
・埋葬をしてあげたいが、今後引っ越す予定がある |
プランター葬が向かない人 | ・どうしても虫や臭いなどが不安
・大型のペットを埋葬したい |
ペットを身近で供養したいのであれば「手元供養」を検討するのもあり
プランター葬や庭への埋葬を検討している方の多くは「亡くなったあともペットを身近に感じていたい」という思いを持っているのではないでしょうか。実はペットを身近で感じる供養方法が、プランター葬以外にもあります。
その1つが「手元供養」。自宅にペットの遺骨を入れた骨つぼを置いて、仏壇を作ってあげる方法です。この方法であればいつでも家の中で供養できるため、プランター葬を不安に感じる方はぜひ検討してみてください。
手元供養の方法については下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:ペットの供養方法は4種類!自宅(手元)供養のやり方や必要なもの・費用を紹介!
プランター葬が向いている動物・向いていない動物とは?
プランター葬は全ての動物に適した方法ではありません。向いている動物と向いていない動物、それぞれについてご紹介します。
プランター葬が向いている動物
プランター葬はハムスターやインコ・文鳥などの小さな動物に向いています。そもそもプランター内に収まるサイズでないと難しいため、大きな動物には適していません。
小さな動物であればプランターも比較的小さなサイズでいいので、置き場所に困ることもないでしょう。
プランター葬が向いていない動物
犬や猫などの比較的大きなペットはプランター葬に向いていません。理由は上記でも記載している通り、プランターのサイズに限りがあるからです。
大きな動物をプランター葬で埋葬してあげたい場合は、遺体を火葬してからプランター葬を行いましょう。そうすれば長期間土に還らなくても、臭いの発生などを防げます。
プランター葬に必要なものを解説!
プランター葬を行う場合は、以下のものを準備してください。
必要なもの | 用途や使い方 |
陶器製のプランター | プラスチック製は強度が低いため、陶器製のものを準備する |
園芸用の土 | 遺体が土に還りやすいように、ただの土ではなく園芸用の土を使用する |
腐葉土 | ・腐葉土とは木や葉が微生物の働きによって分解、風化してできた土のこと
・遺体が土に還る速度を早める働きがある |
堆肥 | 微生物の活性化を促進する |
鉢底石 | 土の排水、通気性を高めて水はけを良くする効果が期待できる |
鉢底ネット | プランター内の土が流れ出るのを防いだり、害虫が入り込むのを防止したりする役割がある |
草花の種や苗 | ペットの遺体を埋葬した上に植えるもの |
受け皿 | ・水や雨水などがプランター内に入ると、臭いのある水が出てくる
・定期的に受け皿を確認し、たまっていた場合は水を捨てる |
バケツ | 土を混ぜ合わせる時などに使用 |
スコップ | 土を掘る時に使用 |
使い捨て手袋や軍手 | ・手が汚れないように使用
・使い捨てできるものがおすすめ |
他にも、必要になりそうなものがあれば各々準備しましょう。
プランター葬では植物を植えるべき?
植物は必須ではありませんが、可能であれば植物を植えてあげることをおすすめします。植物を植えると見た目も華やかになります。また水やりなどのお手入れが必要となるため、さらに愛着が湧くことでしょう。
プランター葬で植物を植える場合は、一年草(一年しか花を咲かせない植物)がおすすめです。多年草(同じ株から何年も枯れずに花を咲かせる植物)は定期的に土を入れ替える必要があるため、プランター葬には向いていません。
【一年草の例】
・アサガオ
・パンジー
・ビオラ
・ジニア(ヒャクニチソウ)
・カモミール(ジャーマンカモミール)
・デイジー
など
一年草の植物は上記以外にもあります。ペットの誕生日やお迎えした日の誕生日草、好きな花言葉がついた植物などで選ぶのもよいでしょう。
植物の管理が難しい場合は、土の上に造花や可愛い置物などを置くのもおすすめです。管理する必要がなく、プランターも華やかになりますよ。
プランター葬のやり方!植木鉢への埋葬方法を解説
前述した通り、プランター葬は火葬することをおすすめしています。
そのためこの記事では、ペット火葬を行うことを前提にした手順を説明します。
STEP1:プランターの底に土台を作る
プランターの底に鉢底ネットを敷いて、底が見えなくなる程度まで鉢底石を敷き詰めます。
STEP2:土を混ぜ合わせる
バケツとスコップを使用し、園芸用の土と腐葉土を1:1の割合で混ぜ合わせます。
STEP3:プランターに土を入れる
STEP2で混ぜ合わせた土をプランターの3分の1の深さまで入れます。
STEP4:ペットの遺骨を入れる
土の上にまずは堆肥を敷き、その次に腐葉土を敷いて遺骨を置きます。上から腐葉土を被せ、最後に堆肥を敷きます。
STEP5:草花の種や苗を植える
植物を植える場合は、遺骨を傷つけないように鉢底ネットを敷きます。その上に園芸用の土と腐葉土を混ぜた土を被せてから、植物を植えてください。
STEP6:受け皿を設置する
最後に受け皿を設置すればプランター葬は完了です。
プランター葬を行う場合、水やりはしても大丈夫?
プランター葬で植物を植えた場合、水やりが必要になります。水やりは土が乾いたタイミングで行い、土が軽く湿る程度の量をあげましょう。
また水やりをする時は、プランターの下に設置した受け皿にも注意しなければいけません。受け皿にたまった水は定期的に交換して、ためないようにしてください。放置してしまうと虫が発生しやすくなります。
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